営業の成功事例を「使われるナレッジ」に変える方法
投稿されただけで終わる成功事例と、実際に他のメンバーに使われる成功事例は何が違うのか。書き方・整理の仕方の観点から解説します。
- 著者:
- ワザドリ運営者(運営者情報)
営業の成功事例は、投稿されただけでは「使われるナレッジ」にはなりません。多くの組織で、成功事例の投稿自体は行われているものの、他のメンバーがそれを読んで実際に行動を変えるところまでは至っていないケースが少なくありません。ここでは、読まれるだけで終わる成功事例と、実際に使われる成功事例の違いを整理します。
読まれるだけで終わる成功事例によくある特徴
- 結果だけが書かれている:「A社を受注できました」という結果だけでは、他のメンバーは何を参考にすればいいか分かりません。
- 感想で終わっている:「粘り強く対応したのが良かったと思います」といった感想レベルの振り返りでは、具体的にどう行動すればいいかが伝わりません。
- どんな状況で使える話なのかが分からない:うまくいった条件が書かれていないと、自分の商談に当てはめられるかどうか判断できません。
使われるナレッジに変えるための書き方
1. 結果ではなく、行動を書く
「受注できました」ではなく、「価格の話の前に、相手の業務上の課題を具体的に聞いたところ、価格交渉が穏やかになった」というように、実際に何をしたのかを書きます。行動として書かれてはじめて、他のメンバーが自分の商談で真似できます。
2. うまくいった条件を明記する
同じ行動でも、効果が出る条件は商談によって異なります。「決裁者が同席していた」「競合と比較されていた」など、どんな状況での話なのかを明記することで、読み手が自分の商談に当てはまるかどうかを判断しやすくなります。
3. なぜそうしたのかという判断の理由を添える
行動だけでなく、「なぜそのタイミングでその行動を取ったのか」という判断の理由まで書かれていると、似たような別の場面でも応用が利きやすくなります。
4. 失敗した部分も隠さず書く
成功事例であっても、途中でうまくいかなかった部分があれば、それも合わせて書きます。「最初は価格の話から入ってしまい反応が悪かったが、途中で課題のヒアリングに切り替えたところ流れが変わった」というように書くと、同じ失敗を避けるための情報にもなります。
「使われるナレッジ」に育てる次のステップ
書き方を工夫しただけでは終わりではありません。投稿された成功事例を他のメンバーが実際に試し、その結果を記録することで、一人の体験談から「複数人に効果が確認されたナレッジ」へと育っていきます(詳しくは営業の再現性とは?を参照)。
具体例
「初回商談で予算を先に聞かず、まず課題の大きさを一緒に整理してから予算の話に移ったところ、価格交渉が穏やかになった」という投稿があったとします。ここに「決裁者が同席しており、比較的大型の案件だった」という条件と、「なぜそうしたか(相手に予算ありきで考えさせないため)」という理由を加えることで、他のメンバーは「自分の商談は条件が近いか」を判断したうえで試すことができます。
まとめ
営業の成功事例を「使われるナレッジ」に変えるには、結果ではなく行動を書き、うまくいった条件を明記し、判断の理由を添え、失敗した部分も隠さず書くことが重要です。書き方を工夫したうえで、他のメンバーが実際に試し、結果を記録することで、一人の体験談は組織で使えるナレッジへと育っていきます。
よくある質問
Q. 成功事例が投稿されても使われないのはなぜですか?+−
A. 結果だけが書かれていたり、感想レベルで終わっていたり、どんな条件で使える話なのかが分からないことが主な理由です。読み手が自分の商談に当てはめられる情報になっていないと、使われないまま埋もれてしまいます。
Q. 使われる成功事例はどう書けばいいですか?+−
A. 結果ではなく実際に取った行動を具体的に書き、うまくいった条件を明記し、なぜその行動を取ったのかという判断の理由を添えることが重要です。
Q. 失敗した部分も書いたほうがいいのですか?+−
A. 成功事例であっても、途中でうまくいかなかった部分があれば合わせて書くことをおすすめします。同じ失敗を避けるための情報として、他のメンバーの役に立ちます。
Q. 書き方を工夫すればそれで完成ですか?+−
A. 書き方の工夫は出発点です。投稿された事例を他のメンバーが実際に試し、その結果を記録することで、一人の体験談から組織で使えるナレッジへと育っていきます。
関連記事
Wazadori
営業ナレッジを、組織の成果につなげる
ワザドリは、営業の成功・失敗などのナレッジを蓄積し、組織で活用していくためのサービスです。