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OJT担当者(トレーナー)自身の育成方法

「営業成績が良いから」という理由だけでOJT担当を任せることのリスクを整理し、教える側の育成をどう設計すればいいのかを解説します。

著者:
ワザドリ運営者(運営者情報)

「営業成績が良いから」という理由だけで、OJT担当(トレーナー)が選ばれることは少なくありません。しかし、優れた営業成績を持つことと、他者に教える能力があることは、まったく別のスキルです。教える側の育成を行わないまま新人指導を任せると、指導の質は担当者ごとに大きくばらつき、新人育成全体の質にも直結します。

「優秀な営業=優秀な指導者」ではない理由

優秀な営業担当者は、多くの場合、無意識のうちに高度な判断を行っています。この無意識の判断を、意識的に言語化し、他者に伝わる形で説明する能力は、営業成績の高さとは独立したスキルです(トップ営業の暗黙知を言語化する方法も参照)。「なぜそう判断したのか」を聞かれても「感覚です」としか答えられないトレーナーのもとでは、新人は表面的な模倣以上の学びを得られません。

トレーナーに求められる、営業スキルとは別の能力

言語化する能力

自分の判断や行動の背景を、意識的に言葉にする能力です。この能力は、日頃から自分の商談を振り返り、言語化する習慣を持つことで育まれます。

相手の理解度に合わせて説明する能力

新人の理解度や経験レベルに応じて、説明の粒度や進め方を調整する能力です。経験豊富なトレーナーほど、自分にとっての「当たり前」の水準で説明してしまい、新人が置いていかれることがあります。

適切なフィードバックを行う能力

良かった点と改善点を、具体的かつ建設的に伝える能力です(営業ロールプレイを効果的に行う方法も参照)。感覚的な「良かった」「もっと頑張って」ではなく、行動レベルでのフィードバックができるかどうかが、指導の質を左右します。

トレーナー自身を育成する方法

トレーナー向けの研修を用意する

指導方法そのものについての研修(効果的な同行のさせ方、フィードバックの伝え方など)を、トレーナーになる前、あるいはなった直後に提供します(新人営業の同行を効果的にする方法も参照)。

トレーナー同士で指導方法を共有する場を作る

トレーナーごとに指導のやり方がバラバラにならないよう、トレーナー同士が指導の工夫や難しさを共有し合う場を定期的に設けます。

トレーナーへのフィードバックの仕組みを持つ

新人からトレーナーへのフィードバック(分かりやすかったか、質問しやすい雰囲気だったかなど)を集める仕組みを作ることで、トレーナー自身も自分の指導方法を振り返る機会を得られます。

経営として見ておくべき視点

トレーナーの指導力は、新人育成の質に直接影響する重要な要素であるにもかかわらず、多くの組織で体系的な育成の対象になっていません。優れた営業担当者を選抜してトレーナーに任命するだけでなく、そのトレーナー自身の指導力を育成することに投資することが、育成全体の質を底上げする鍵になります。

まとめ

営業成績の高さと指導能力は別のスキルであり、この前提を欠いたままOJT担当を任せると、指導の質が担当者ごとに大きくばらつきます。言語化する能力、相手に合わせて説明する能力、適切なフィードバックを行う能力をトレーナー自身が育成できるよう、研修や情報共有の場、フィードバックの仕組みを用意することが、新人育成全体の質を底上げする投資になります。

よくある質問

Q. 優秀な営業担当者なら、良いOJT担当者になれますか?+

A. 必ずしもそうとは限りません。優秀な営業担当者ほど無意識に高度な判断を行っており、その判断を言語化して他者に伝える能力は、営業成績の高さとは別のスキルです。

Q. トレーナーにはどんな能力が求められますか?+

A. 自分の判断の背景を言語化する能力、相手の理解度に合わせて説明する能力、行動レベルで具体的なフィードバックを行う能力が求められます。

Q. トレーナー自身を育成するにはどうすればいいですか?+

A. 指導方法についての研修を提供し、トレーナー同士で指導の工夫を共有する場を作り、新人からトレーナーへのフィードバックの仕組みを持つことが有効です。

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